皆さん、GWはどうお過ごしだったでしょうか。
私は残念ながら4日間ほど仕事をしておりました。
大人はいろいろ大変です。
さて、皆さんもご存知のようにTKドラゴンズでは、GWやお盆、年末年始などのまとまった休みは活動をしないことにしています。
たまたま今年のGWは4日にBチームの練習試合を入れましたが、強制的ではなく集まれる選手だけで試合をしています。
多くの少年野球チームでは、年末年始は別としても、こういったまとまった休みには合宿や遠征、普段できない練習に明け暮れるチームが多いようです。
しかしながら、TKドラゴンズではチーム方針として、まとまった休みには基本的に活動をしないことにしています。
12年と半年前のチーム創設以来ずっとなんです。
なぜなんでしょう。
何度かこの話についてはブログで触れてはいますが、あらためてお伝えしておきたいと思います。
まず、家族が大変だということです。
連休がほとんど子どもの野球に割かれると、家族の身動きが取れなくなってしまいます。
男兄弟で野球チームに入っているとあまり気にならないかもしれませんが、お姉ちゃんや妹がいればそうはいきません。
私の息子が地域の少年野球チームにいた時は、お姉ちゃんも妹も息子の休みに合わせて、せわしなく旅行に行ったものです。
息子が小学校4年生の時にTKドラゴンズを創ったんですが、その頃から家族の思い出というか子どもたちの思い出が増えました。
でも最後に家族で大きな旅行ができたのは長女が中学校1年生、息子が小学5年生の時でした。
この年も本当は長女が中学校のバレーボール部の練習に行くかどうか迷っていたんですが、私がなんとか長女に頼み込んで家族で旅行をしたんです。
この子たちとこういう感じで行ける旅行はこれが最後なんだろうと思っていましたので、随分奮発して沖縄の離島に行きました。
実は決死の覚悟で「なんとかなる!」と全財産をはたいて行ったんです。余裕など全くなかったのです。
子どもたちが中学、高校となれば、もう親と一緒に行く旅行よりも他に楽しみも出てきますから、その前に一度ぐらいは驚くような旅行を経験させたいと思ったんです。
ありがたいことに、今でも三人の子どもらは「もう一度沖縄に行きたい」なんて言ってます。
よほど印象に残ったんでしょう。
ということは、毎年旅行に行く必要はない、ということでもあるかもしれません。
そして、もう一つの理由。
チーム方針にもありますが、私は小学生の頃はいろんなことをしてほしいと思っています。
スポーツも遊びも旅行も親戚などの集まりも勉強も・・・はい、なんでもしてほしいのです。
子どもはいろんなことを経験して成長していきます。
その中で、自分に合ったものを選んだり、楽しいと思ったことを趣味にしたり、大人になった時に自分の子どもにしてあげたり、あるいはさせなかったり。
何がきっかけで人生の方向が決まるとも限りません。
スポーツだけが楽しいことではありません。
文化、芸術、科学、楽しいことは限りなく存在します。
楽しいことだけではありません。
わずらわしさや窮屈さやもどかしさ・・・人と関われば様々なことが伴います。
それらを全てひっくるめて経験してほしいのです。
そういった意味のあるような無いような経験が人の幅となり、心の幅となっていくと思うのです。
幅があるということは遊びがあるということなんです。
余裕があると言うか、順応できる力と言うか、柔軟な発想や行動に繋がるような気がするのです。
例え、旅行などの予定がなかったとしてもいいじゃないですか。
子どもたちは暇かもしれません。
しかし、暇な時間も子どもにとっては有意義な時間だと私は思うんです。
昔は大人が休みの日は子どもは暇なもんでした。
しかし、意外と暇な時間の記憶ってあるんですよね。
記憶にあるということは何かしら印象に残っているんです。
ずーっと蟻を見ていた記憶。
一日中向かいの家の壁にボール当てをして、向かいの家のおばさんに、げっそりした顔で「もうええやろ」と言われた記憶。
高校野球をテレビで見ながらずーっとスコアブックモドキみたいなものを書いていた記憶。
読書をしていた記憶。
大人の雑誌を見つけてグラビア写真に固まった記憶。
なんだか笑っちゃいますねぇ。
チラッと思い出しても結構出てきます。
暇だったんでしょうね。
でも大人になってから、何かの形で何かの役に立っていたりするから面白いですよね。
最近ようやく、練習時間の少ない高校が甲子園に出場するようになってきました。
やっとTKの野球に近づいてきたか、なんて思っています。
そのうち、もっと練習時間が少ない高校が増えると思います。
無駄な練習が多すぎますし、時間が長すぎます。
無駄な練習をするぐらいなら、それを食事と睡眠時間に回した方が良い体ができます。
高校野球の試合時間は1試合あたり2時間半前後です。
私は1日実質3時間の練習が最適だと思っています。
少年野球でも少ない時間で密度の濃い練習をするべきだと思っています。
練習時間が長いと選手はその時間に合わせた力配分をするんです。しんどいからです。
素振りもしないといけませんが、しすぎるとダメです。
300本振ると決めて振ると、300本振る力配分のスイングになります。
これだと意味がないんです。
ピッチャーが投げる姿、ボールをイメージしてフルスイングで100本振ると、25分程度かかります。
100本を全力で振るとかなりしんどいですよ。
1試合でバットを振るのはせいぜい10回です。少なければ4~5回です。
この4~10回のスイングをタイミングを合わせてフルスイングできるための素振りなんで、子どもなら週5回1日100本程度で十分です。
例えば80本で「良い感じ」と思ったらそこで終わるのも大事なことなのです。
練習もそうですが、何でもやりすぎるとどこかに歪が出てきます。
私はたぶん、連休中ずっと練習している子どもたちの顔を見るよりも、いろんなことを経験したり考えたり暇を持て余したり、その結果、少し成長した心で連休明けの練習に来てくれる子どもたちの顔を見る方が好きなんでしょうね。