9月17日(土)、聾学校において練習が行われました。
この日は随所にがんばりのボーダーラインを上げる練習内容が組み込まれていました。

そもそもがんばりのボーダーラインとはなんでしょうか。
「しんどい」「苦しい」「つらい」といった「これ以上無理」というハードルのことなんです。
このハードルの高さには個人差があります。
体力的、技術的、精神的といった強さでその差は出ます。
しかし、一番大きく差が出る原因は自分自身でそのボーダーラインを作っていることなんです。
少し難しい話になりますが・・・子育てにおいても重要なことなので聞いてください。
「一生懸命がんばる」「とことんがんばる」「必死でがんばる」「全力でがんばる」など、最大限の努力を示す言葉はたくさんあります。
ただ、この「一生懸命」「とことん」「必死」「全力」の度合いは自分が決めるのです。
実はここに大きな落とし穴があります。
「一生懸命やってできなければ仕方ないじゃないか」という言葉は、
「一生懸命やってもできない人」を大量生産してしまいました。

「一生懸命がんばれ」という言葉は、子どもたちには「今まで経験した中で最大だと思う頑張りをする」という意味にとれるのです。
いわゆる自分の中のがんばりのボーダーラインすれすれを意味します。
残念ながら、これでは子どもたちは成長はしません。
子どもたちの思っているがんばりのボーダーラインを指導する側が上げてやる必要があるのです。
つまり今まで経験したがんばりよりハードルの高いがんばりを求めてあげるのです。
ここで気を付けなければならないのは、ハードルを上げる高さは2段階前後ということ。
高すぎると「無理」という否定的な感情が先に出てしまいます。
この見極めが大切です。

ボーダーラインを上げる時に必要なことは、できるまで終わらさないということです。
「一生懸命やってできなければ仕方ない」という現代の子どもたちが思い込んでいる幻を打ち砕きます。
この考えを子どもたちに沁みこませてしまったのは大人です。
「一生懸命努力すること」を良しとし「一生懸命の度合いは子ども任せ」という無責任な教えの付けが回ってくるのは子どもたちです。

子どもたちは大人が思っているより賢いです。
そしてまた、ずるがしこいです。
要するにたくましいのです。
具体的な練習内容を見てみましょう。
Aチームではアップから自分の中のがんばりのボーダーラインを上げる内容が組み込まれました。
片足を上げての体幹トレーニングではふらついたり足を着けば何回でもやらされると分かると・・・
一気にふらつきがなくなります。
1分持たない子どもが2分15秒までボーダーラインが上がります。
キャッチボールをノーミスで7往復できない組は終わらなければ休憩できないとなるとものの5分で完了します。
個人ノック20本とらなければ終わらないとなると、捕れるか捕れないかぎりぎりのところを捕りに行き、ぎりぎりのラインが広がります。
この日は1日練習ということもあり最後はJチームも合流しました。
ここでもがんばりのボーダーラインを上げる練習をしています。
いつもより広い塁間、いつもより強い打球のノック、いつもより怖い会長・・・
Jの子どもたちはある程度でわかってきたはずです・・・今日はヤバい・・・
捕らなければ終わらない。
ゴロがグラブをはじき顔に当たります。
痛い・・・?
考える間もなく泣く間もなく「痛ない!」という激が飛びます。
会長は全員が捕れたあとも褒めてくれません。
もっと捕れるんじゃないですか・・・それどころか「いやいややるならやめたらええ」とか言ってるし。
一つ捕れたら何回でも捕れます。
一回がんばれば、次はもっとがんばれます。
それが出来たらなんぼでも褒めてあげます。
Aチームの場合は、このボーダーラインを上げることが、冬のきぬかけ杯に優勝し夏冬連覇できるかどうかに直結します。
しばらくボーダーラインを上げる練習は続きそうです。
最後に・・・
がんばりのボーダーラインが低いままで大人になると、残念ながら本当に頑張れないみたいです。
若いときなら周りがボーダーラインを上げてやることはできますが、30代になると手遅れです。低空飛行で飛ぶしかありません。
子どもも大人も自分でがんばりのボーダーラインを上げるのは非常に難しいものです。
だからこそ、可愛い子どもたちには私たち大人が、がんばりのボーダーラインを上げてやる指導をしなければなりません。