以前に野球の進路と仕組みについて申し上げたことがあります。

TKブログの中で2,000回以上読まれていることから、みなさん非常に関心の高い問題であると思いますので、以前の物を修正し2019年版として出してみました。

 

これはあくまでも、野球で高校や大学に進みたい人や、甲子園に出場したい人、プロを目指す人のための情報です。TKドラゴンズの指導方針とはリンクしておりませんのでご了承ください。

長くなりますので、興味のある方のみご一読くださいませ。

 

なぜ、TKドラゴンズのブログでこの内容を扱うかと言いますと、中学の時点ですでに進路が分かれるからなのです。

6年生は、卒団して間もない今の時期、ぼんやりと目標も見えてきて「さて中学になったらどこで野球をしたらいいんだろう」と悩んでる方もいると思いますので、情報と私の意見として捉えていただければ結構かと思います。

 

〜甲子園に出場したい〜

野球少年なら誰もが一度は思うことかもしれません。

甲子園で活躍してドラフトで名前を呼ばれプロ野球選手になる。とても分かりやすいプロへの道をTVでも新聞でも目にします。「プロにはなれなくても甲子園に出てみたい」と思う少年野球選手は多いはずです。

 

ここから現実的な話になります。

親子ともに甲子園に出場したいと思っていても、「知らなかった」では済まされないので言っておきます。

甲子園に出場するためにまず思いつくのが、甲子園に出場できる可能性の高い高校に進むことです。最近の京都なら、龍谷大平安、福知山成美、鳥羽、乙訓、京都外大西、立命館宇治などでしょうか。他にもあるでしょう。私立も公立も混在していますねぇ。

言っておきますが、このような高校に入学テストを受けて、あるいは指定校推薦で進学しても野球部には入部できません。仮に入部できたとしても野球はさせてもらえません。

親が知っていないと子どもは知りようがないのです。

強豪チームでは、中学3年生、早ければ中学1〜2年生の段階で、進学・入部の確約を選手とその親から取り付け、一軍選手のほとんどを決めています。

では、どこで進学の確約を取り付けるのでしょうか。それが全国の中学硬式野球リーグです。

強豪高校はシニアリーグ、ボーイズリーグ、ヤングリーグ、ポニーリーグなどの中学生の硬式野球チームから優秀な選手を受け入れます。

要するにくじ引きのないドラフトだと思っていただいて良いでしょう。

中学の硬式野球チームでも、強豪校に選手を送り込むために必死に選手を育てます。

数種類の中学硬式野球リーグでは、高校野球とのパイプをそれぞれが持っています。もちろん、パイプの大小はあります。パイプに関しては後で触れます。

では何故、高校野球チームと中学硬式野球チームの間にパイプが存在するのでしょう。

強豪高校と言えどもプロ球団のように毎日全国にスカウトが飛び回っているわけではありません。これはという選手の元には監督やコーチが視察に行く程度です。

そこで繋がりのある中学硬式野球チーム10〜20チームから毎年1名〜2名選手を獲ることで、ある程度戦力として期待できる選手が20〜40名は確保できるのです。

中学硬式野球の全国大会などで目立って優秀な選手は、多くの甲子園常連校から声が掛かりますし争奪戦になります。

中学硬式野球チームにとっても、甲子園常連校とのパイプがあれば優秀な選手が集まりますし、パイプを持つということは、高校、中学どちらにとっても戦力を確保するために有効な手段なのです。

こういう仕組みで中学の硬式野球チームから優秀な選手は全国の甲子園常連校に進み、ある程度その学年のスタメンは進学前に決まるのです。北海道の高校でも東北の高校でも選手は関西弁という光景はもはや当たり前になっています。

なので、強豪高校に自力で入学して「野球部に入ります」と言っても入れてもらえないのです。

 

例えば、大阪桐蔭高校は甲子園でも常に優勝候補です。初めから強豪高校ではありませんでした。とにかく良い選手を必死に集めることから始まります。今では、良い選手を集めるから強くなる、強くなるから良い選手が集まるというスパイラルが完成しています。

 

高校野球で甲子園に出場した場合、その高校の知名度は一気に上がります。甲子園常連校にとっては破壊力満点の広告塔なのです。無名の私立高校でも、本気で経営の立て直しをするために野球部に力を入れるというのは良くある話です。進学コースとアスリートコースで分ければ偏差値もグングン上がり、有名進学校の仲間入りを果たすことが出来ます。

日本の野球はサッカーのようなピラミッド型の育成方法をとっていないにも関わらず、日本の野球選手がメジャーでも通用する技術を早い段階で身に付けているのも、高校野球の熾烈な選手確保合戦がその根底にあるような気がします。

 

以上のような理由から、中学で部活の野球部に入った時点で甲子園出場は99%難しいと思われます。

 

〜野球で大学へ進学したい〜

高校野球で述べたように、大学でも同じ現象が起きます。東京六大学、関西六大学、関西学生など全国に大学のリーグが存在します。

京大や東大は別ですが、大学野球のレギュラークラスでまともに入試を受けて大学に入学する選手は極めて異例です。

高校と同じく、強豪高校から進学してきます。京大や東大が勝てないのは当たり前です。

表向きにはセレクションなどの入部テストもありますが、プロの入団テストみたいな位置づけだと考えて良いでしょう。

 

大学から社会人野球とのパイプも存在します。

プロ野球にもいろいろなパイプが存在します。表には出ませんが、ドラフト以外で入団する選手や育成選手などは様々なパイプからプロ球団に送り込まれています。

それぞれのチームが良い選手を確保するための手段として、あらゆるパイプを活用しているのです。

 

〜例外は無いの?〜

あります。レアですが。

投手に限っては、自分ひとりの力で甲子園に行けます。

TKドラゴンズでも、まず投手の育成に時間をかけます。投手がむちゃくちゃだと、いくら打とうが守ろうが野球にならないのです。

 

そもそも、少年野球でピッチャーを任される選手はチームの中で身体能力が長けている選手だと思ってください。

プロ野球選手のほとんどが少年野球ではエースをしています。

強豪高校の野手もほとんどが少年野球ではエースです。

 

記憶に新しいところでは、金足農業高校の吉田君です。彼は、ほぼ自分ひとりの投手力で甲子園に出場し、プロへと進みました。中学では硬式をやっていたようですが進学した金足農業高校はそれまでほぼノーマークの高校です。

野球は投手のウエートが非常に高いスポーツです。投手が0に抑えてくれれば1点取れば勝てるのです。ホームランバッターも3割打者もいりません。全員を三振にとれるなら、守備すらいらないのです。

ただし、投手一人で甲子園に出場した場合、連投を余儀なくされますので、一人の投手にかかる負担は大きく、プロに進む前に肩や肘を故障する確率は上がります。吉田君も甲子園のあと故障しています。プロ球団とすれば「連投は勘弁してほしい」というのが本音でしょうねぇ。

強豪チームなら2人〜3人のローテーションで投手を回しますので、故障のリスクは少なくなります。

できるなら、優秀な投手は選手生命を延ばすためにも強豪チームのローテーションに入って甲子園〜プロを目指してほしいところです。

 

現在、プロ野球の支配下選手の半分弱は投手です。

日本のプロ野球選手がざっと70名×12球団だとして、840名中約400名が投手なのです。そのまた半数近くが左投手です。

今ではスターター、セットアッパー、クローザーと投手の役割分担が明確化してきており、1試合で4〜5人の投手をつぎ込むのは当たり前になっています。

フレッシュな投手を起用することで勝率も上がりますし、そのために投球数や登板間隔を徹底して管理しますので、絶対的な人数が必要になります。

球団にしてみれば、左打者も右打者もいる以上、とにかく投手は左右等しく頭数が欲しいのです。

その分、野手にとっては狭き門になりますが・・・

 

野手に関して言うなら、例外はほとんどないに等しいです。

野手に関しては、チームが勝ち進むか強豪チームに所属していないと判定のしようがないんです。

例えば、京都の1回戦で4打席連続ホームランを打ったとしても、対戦相手の投手の力がないと評価しようがありませんし、8割の打率を残しても同じです。

恐ろしく打てるバッターでも強豪チームでなければ投手力が弱く、勝てないために日の目を見ることが少ないんです。

 

〜で、結局どのチームに入れば良いの?〜

まず、自分がどれぐらい野球をやりたいかじっくり考えましょう。

そして、野球を続けるモチベーションがどれぐらいあるか考えましょう。

今、凄い選手ではなくても、いつ大化けするかは誰にも分かりません。大切なのは自分の意志です。

 

なんとなく楽しくやりたいのなら、部活をお勧めいたします。

甲子園に出なくていいから高校野球をやりたいというのなら、どこでもいいので硬式野球チームに入ると、かなりの確率で高校のレギュラーは取れます。

甲子園に出たいのなら、じっくりチームを探しましょう。まず、過去の公式戦の成績とどの高校にパイプがあるか調べるか聞きましょう。パイプの数や太さは大きな判断材料になります。親の負担が少ないから入れたは良いが、パイプがほとんどないチームもあります。

練習内容も大きな判断材料になります。近代的な野球を取り入れているか否か。根性論を振りかざすチームは近い将来そのチームは滅亡しますので入ってはいけません。

このあたりから親の協力なしではしんどいです。

なにも手伝えません、子どもに任せます、では甲子園は遠のきます。

強豪高校に進学・入部に至るまでには、親と中学チームの監督や代表とのコミュニケーションは大切ですし意思疎通も必要です。親と中学と高校の監督などの間で、学費などの条件面や育成方法や将来の進路などについて話し合いを行います。場合によっては一席設けることもあるかもしれません。

将来プロを目指したいなら、技術面、体力面、精神面、戦略面で良い練習をしているチームでパイプも多く進路指導にも力を入れているチーム、できればプロ野球選手を輩出している実績のあるチームを探しましょう。

 

ただ、思うようにいかないのが世の常でもあります。

運も実力のうち。成るものは成る。成らないものは成らない。

考えすぎてもいけません。

 

 

長々と書きましたが、ざっとこんなもんでしょうか。

最近では、高校でも最新の指導方法を取り入れるチームは多く、高い技術指導やトレーニング環境が提供されています。

アスリート育成は低年齢化していますし、早ければ早い方が良いのですが、野球に関しては骨の成長など骨格がしっかりしてから本格的なトレーニングをするのがベストだと思われます。そう考えれば、中学生の後半頃からでしょうか。それまでは、筋力よりも技術や知識を身に付けるのが良いと私は思っています。

 

TKドラゴンズの練習でも、それは感じていただけると思います。

ダッシュもロングランも筋トレもなし。ほとんどの時間を技術指導、知識指導、自分の意志の発育指導に当てています。

 

ま、野球に限らずアスリートはいずれも、このような環境で目標に向かって進んでいくのです。