3月27日(土)上鳥羽グラウンドにて練習を行いました。
この日は、5年生が天一杯に向けて連係プレーなどの練習を3Aで行っており、6年生8名のみの練習となりました。
6年生だけの練習は今シーズン初めて。せっかくなので、練習前に各選手の目標を聞いてみました。
「もっと打てるようになりたい」「後ろの打球を捕れるようになりたい」「レギュラーを獲りたい」いろいろありました。
何もせずに目標が叶えばいいですが、そんな都合の良いことはあるはずもなく、目標を達成するにはそれなりの努力が必要になります。
ということで、もう一歩踏み込んで何番打者でどのポジションという目標を聞いてみました。
いろいろありました。
6番という目標の選手もいて「6番はどうでもええ選手なんやけどな」と言ったあともう一度聞くと「7番」って言ってました。下るんかい(笑)
「7番8番は大切や」といらんことを言ったのが悪かったんですが、どうせなら上位打線に目標を持ってほしいと思っただけで、6番がどうでもええ選手ではありませんからね。
で、その目標に向かって練習してもらいました。
後方のフライを捕る練習からです。
これは内野手でも外野手でも難しいプレーです。捕球技術はもちろん必要ですが、打球の方向を瞬時に察知する動体視力や勘、一気に後ろを向いて全力疾走する瞬発力と思いっきり、最後に何としてでも捕ってやるという強い気持ち。これらが必要になってきます。少年野球レベルでは優れた選手にしかできないプレーだとも言えます。ということは、これができるとレギュラーはぐっと近づいてくるということなんです。
ここでは特に「何が何でも捕りに行く」ということを体感させたいと思っていました。
あと少し、もう一歩
この壁をぶち破ってボールを捕ることの意味は、捕った選手にしか分からないことです。
捕った選手はなぜ捕れたかを理解し、捕れなかった選手はなぜ捕れないかを理解できません。野球に限らず、子供に限らず、私のようなおっさんになっても、いつでもどこでもあと少しもう一歩の壁は常に存在し、ぶち破った壁の数だけ次の壁は分厚くなります。
練習の後半は、フェンスオーバーのホームランを打つ練習でした。
怪我の選手を除き、5名がフェンスオーバーするまで続けました。
最初はフェンスの高さも含めて60m(6年生のホームラン飛距離)。1時間やりましたが超えませんでした。
で50m。4人がフェンス越え。
ラスト40m。最後の一人がフェンス越え。
あーしんど。
1時間40分のロングティーは腰にきます。小林コーチもお疲れ様でした。スタッフの皆さんもボール拾いお疲れ様でした。ボールを拾うだけでも腰にきますから、十分休んでください。
スイングの速さや自分のパワーやボールを捉えるポイントやバットの軌道で、飛距離は変わります。
でもそんなことより、目標を超えることとフェンスを越える快感を疑似体験してもらったという感じです。
何百回もバットを振ってもらいました。腕がパンパンになって昼ごはんではお箸もつかめない選手もいたでしょうね(笑)
それぐらいやらないとホームランは打てないよ。目標は超えないよ。ということです。
でも選手達は必死に振ってましたね~
さすがにバッティングは楽しいと見えて、しんどそうな演技をする選手はいませんでした(笑)
フェンスオーバーすると「ホッ」とした気持ちと「超えた!」という喜びが混ざって、それぞれの顔ににじんでいました。
毎日60mのホームランをイメージして、イメージの中でフェンスを超えるまで素振りをすれば、半年後には本当に打てるようになります。
さて、小学生がどれぐらい本気で目標を口にしているかは、個々によって違います。
常に目標を見据えて練習に取り組んでいる選手もいますが、目標を言えと言われたから口にした選手もいるかもしれません。
選手を指導することは簡単ですが、選手の心に火を点けるのは指導者として一番難しいことです。心に火が付いた選手は勝手に上手くなります。勝手に目標も作ってます。勝手に素振りをします。勝手にライバルを見つけます。勝手に必死になってます。こうなると火を消すことは誰にもできません。
一方、なかなかやる気が起きない選手もいますよ。こっちの方が多いかもしれませんね。指導する側とすれば、必死になっていろんな手段を使い、いろんな表現をしながら、なんとかやる気を引き出そうとしますが、実際にはこれといった処方箋は存在しません。ただ長年選手達に向き合っているうちに、ぼんやりとではありますが分かってきたことがあります。「選手を信じて待つ」ということです。私は選手全員をやる気にさせることはできませんが、全員を信じることはできます。私は選手達の親ではないですが、グラウンドでは我が子だと思って見ています。