10月4日(日)東野公園グラウンドにおいて、小野エースクラブさんとの竹の子リーグ若竹杯2回戦が行われ、TKドラゴンズが14-1で勝ちベスト4進出を決めた。
青山空が1失点無四球完投、二塁打2本・三塁打2本の計4安打を放つなど、投打にわたる大活躍を見せた。
若竹杯2回戦
TKドラゴンズ 2 0 10 2 1 14
小野エースクラブ 1 0 0 0 1
(勝 青山空 2勝1敗1S)
青山空劇場
1回表、相手投手は左のエース。1アウトから2番青山航がセカンドエラーで出塁し、3番立石はライト前ヒットで続く。4番杢谷が四球を選び、いきなり1アウト満塁のチャンス。
打席には5番青山空。1ボールからの2球目をまともに捉えた。打球はライトの頭上を遥かに超える!強烈な先制タイムリー2ベースヒット!
左投手をものともせず、青山空が先制パンチを放ってくれた!
これが、この日の青山空劇場の開幕の合図となる一撃だった。
2-1のリードで迎えた3回表には、先頭4番杢谷がセンター前ヒットのあと、5番青山空がセンターオーバーの3ベースヒットを放ち3点目。
その後1アウト満塁でこの回二度目の打席に立った青山空は、またもや右中間にドカーン!相手の心をくじく走者一掃の3点タイムリー3ベースヒットを放った。この回10点目となり、試合を決めた。
5回にもレフトへ2ベースを放った青山空は、この日4打数4安打(二塁打2本・三塁打2本)6打点の大暴れ。
今シーズンは満塁で結果が出せていなかっただけに、二度の満塁からのロングヒットで、これまでの鬱憤を晴らした。
立石の陰で目立たなかった青山空のメジャー通算安打も、これで53本とし歴代4位に浮上。この日61安打目を放った立石を猛追する4安打となった。
青山空は先発のマウンドにも立っていた。
初回こそ二つのエラーで1失点するが、無四球61球で完投し自身2勝目をあげた。
ついに青山のピッチングフォームが固まり、コントロールが急激に改善された。球速もアップし5奪三振。
投打に渡る青山空の活躍で、ベスト4進出となった。
今シーズンの青山は、序盤に1勝してから苦しんでいた。最大の原因は、私のピッチング指導に問題があったこと。左投手専用のピッチング理論を青山空に当てはめようとしたのだが、なかなかしっくりこない。本人も随分悩んだと思う。夏過ぎに青山本人と話し合い、それまでのピッチングフォームをやめ、右投手と同じ理論でのフォームに切り替えた。
先月から、ようやく青山復活の兆しが見えてきていた。年に二度のフォーム改造は、彼にとってはかなりのストレスだったと思う。しかし、復活を願う強い気持ちで、それをよく乗り越えてくれた。
指導者としての、私の反省は大きい。左投手理論の不完全さも明確になった。
私としては、本来エース背番号を予定していた青山空に、シーズン終盤となったが、もう一度背番号1番を目指してもらいたい。
今シーズンの青山は、ピッチングの不振がバッティングにも影響していた。昨シーズン4割を打ったが、今シーズンは3割を切っていた。この日で打率も3割4分台まで上がってきた。終盤の青山のバットにも期待が膨らむ。
この試合の途中から、マウンド上で自信を取り戻した青山空の姿を眺めていた。
私の指導の不完全さで、彼には遠回りをさせてしまったが、よく立ち直ってくれた。
青山空には、自信満々でマウンドに立つ姿が良く似合う。
美しいダブルプレー
1回裏、少年野球ではめったに見られない4(セカンド)― 6(ショート)― 3(ファースト)のダブルプレーをTKドラゴンズ内野陣が成立させた。
青山空が1点を失い、なおも0アウトランナー1塁の場面。3番の左打者を迎えていた。
これ以上ピンチを広げたくない場面だった。
内野は深めのゲッツーシフト。
3球目、3番打者の打球がセカンド正面に飛ぶ。
セカンド伊藤が捕球後、鮮やかな切り返しとクイックでショートにスパーン!と送球、2塁ベースに走り込んできたショート立石が、勢いを落とさずファーストへバキューン!と転送、レーザービームがファースト青山航のグラブにバシーッ!と突き刺さった。1塁ベース半歩手前で打者走者を刺し切り、ダブルプレーを奪った。
青山空に勇気を与えるスーパープレーだった。
このプレーは凄い。
ダブルプレーの瞬間、応援席のお母さん方から「キャー」とも「ワ―」ともつかない感嘆の声が上がっていたが、うなずける。私もベンチで「ひえ~」と声を漏らしていた。
TKが3塁側ベンチだったので、私はその美しいプレーを特等席で見させてもらった。
宮田のゲッツー指示、左打者の強い打球、深めのポジショニングからセカンド伊藤のスピード感のあるフィールディング、ショート立石の流れるようなベースタッチの動きからの矢のような送球、打者走者が1塁ベース半歩手前でファーストのグラブが響く音。
本当に美しかった。
立石がショートに入る場合、TKの内野の守備力は最強になる。
この日セカンドに入っていたのは伊藤。本来は森がセカンドなのだが、森はこの日運動会のため欠場。
立石がマウンドに上がる場合は森がショートに入るため、先週の試合からスローイングが良くなってきていた伊藤をセカンドに抜擢していた。
3日の練習では、4日の試合で立石がマウンドに立った場合を想定して、ショートに3Aから桝添を抜擢、セカンドに伊藤という形で二遊間の練習を積んだ。
今シーズン初めての集中的なノック。二遊間のセカンドスロー、ファーストスローで30分以上を割いた。
トーナメントの一発勝負で優勝を狙うためには、二遊間の自信と信頼が必要となる。そのために急遽ではあっても、やるべきことはやっておきたかった。
伊藤は泣きながらノックを受けていたが、その努力が実った。
他にもいるぞ!活躍選手
青山空だけではない。この試合では多くの選手が活躍した。
相手投手は速い球もあり、悪くはなかったがTKが13安打とよく打った。
この試合1番に抜擢した宮田が、2安打1死球で3出塁し役割を果たした。
3番立石は1安打し、通算安打を61に伸ばす。
不動の4番になりつつある杢谷が、2安打2四球で全4打席出塁しチャンスを広げた。
6番伊藤が1安打1四球で、レギュラー獲り確実。
ショートの守備要員で3Aから招集していたが、センターでスタメン出場させた8番桝添が2安打し、メジャー入りに猛アピール。
代打成合が2点タイムリーヒットを放ち、レギュラー争いに加わる。
TKドラゴンズが一段と強くなってきた。