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きぬかけ杯・完敗の第三位

7月15日(土)御所グラウンドにて第二回きぬかけ杯夏季大会が行われ、夏・冬・夏3連覇を狙っていたTKドラゴンズは0勝2敗で第三位に沈んだ。
優勝は京都ルーキーズ(初)、準優勝はアカスポだった。

第一試合の京都ルーキーズ対アカスポ戦が引き分けとなり、TKドラゴンズが優勝するには2連勝が条件となった。
しかし、アカスポ戦に敗れたため、優勝争いから早々に脱落。京都ルーキーズ戦に6点差で敗れたため得失点差で京都ルーキーズが栄冠に輝いた。
アカスポはTKドラゴンズが勝つか2点差以内で敗れるかで優勝だったが、京都ルーキーズの優勝への情熱が勝った。

優勝を狙っていたが、選手たちに勝たせることができなかったのは私の責任。
個々の技量は昨年を上回っているが、バランスよくチームを仕上げることができなかった。
いろいろミスが多く「なんでやねん」というプレーが続出するのも修正できなかった。
ミスの出る選手を起用しているのは私。
この敗戦での私の責任は大きい。

まぁ愚痴を言っても仕方ないのでいいところだけをピックアップしてみたい。

第二試合
アカスポ戦 ●6-9(敗投手 池本4勝5敗)

池本の立ち上がりは完璧だった。
ショートのエラーで1失点するが球は切れていた。
彼なりにこの1週間で修正してきており、このピッチングなら勝てると思った。

1回裏、4番河野のレフトオーバーのスリーベースヒットで追いつく。
深いレフトをあざ笑うかのように軽々と超えて行った。
少年野球の飛距離ではない。

3回表、先頭打者のピッチャーフライにベンチから「ピッチャーッ」という声がかかった。
コーチは選手を信用してほしい。
黙るように注意したが遅かった。
結果、このプレーがエラーとなり6失点。試合がつぶれた。
普段来ていないコーチをベンチに入れ、私の近くに座らせてしまったのが私の失敗。
選手は声の出る場所で誰が言っているのかを認識している。私が座っている付近から声がかかると選手の意識はその声に集中してしまう。

一発勝負の怖さは、普段していないことをベンチがしてしまうと流れが変わってしまうところにある。
これもベンチワークの一つで、ベンチは絶対普段通りの野球をしなければならないという鉄則がある。
選手からしてみれば違和感があったろう。
この試合の敗因はこのコーチの一言とこのコーチをベンチに入れた私にある。
このコーチには責任を取っていただいて今年はレギュラーチームのベンチから外れていただく。

いかん、愚痴ってしまう。
選手の話に戻す。

6番栄木、9番田辺のヒットで4回に1得点。
下位打線がつながったのは大きい。栄木はこのヒットを含め四球と死球でこの試合全打席出塁してくれた。

5回、河野の2本目のエンタイトルスリーベースなどで3点差まで迫るがここまで。
河野は4番の仕事を全うしてくれた。
記録は2本のスリーベースヒットだが、グラウンドが違えば2本とも文句なしのホームランである。
彼のドンピシャでバットに当てる技術は群を抜いている。
野手でプロになるのは非常に狭き門なのだが、彼が大きな世界で活躍する姿を見てみたいと思わない方が嘘だろう。
副キャプテンという責任も全うしている。
常に真っ赤な顔をして大きな声を出し野手を励まし続けている。責任感が強く意識の高い選手である。

池本は9失点したが、暑い中よく完投した。
精神的、技術的、体力的にはまだまだ発展途上だが、気の強さ、球筋、左腕という条件を生かし切れば必ず大きな舞台に立てるだろう。
この試合に限ってはクロスファイヤーで入ってくるインコースをことごとくボールと判定されていたが、ホームベースからボール1個外れたところに構えているキャッチミットは動いていない。ホームベースの角はかすっているだろう。
良い球を持っているがゆえにこういう判定も、小さな大会ではよくあること。
気にすることは無い。
池本には今後も将来を見据えた指導をして行く。

最後に野手のエラーについて私から擁護しておくことがある。

池本がマウンドに立った時に内野のエラーが目立つ。
しかし、これは仕方のない事なのだ。
池本の気の強さは本来持っている性格。
「それぐらい捕れや」「ええ加減にちゃんと捕れや」という心の声が表情や態度に現れる。
その不満を抑えるなという指導を池本にはしているから彼はその通りにやっているだけである。
この態度に野手は委縮するのだ。
一学年下のエースに6年生の体が縮こまるわけである。
ベンチや相手チームに向ける意識よりエースに意識が向く。
エースに怒られるという不安から体は動かない。エラーになるのは当たり前なのだ。

学校の道徳の授業なら、池本が悪いという指導をするかもしれない。
しかし、私はピッチャーというポジションはひときわ特殊なポジションだと思っている。
池本に「野手に気を遣え」とか「守りやすい精神状態にしてやれ」など口が裂けても言わない。
プレー中に周りに気を遣うピッチャーは一流にはなれない。
周りに気を遣う暇があったら打者を抑えることを最優先するという思考回路を持っていないと責任を背負ってマウンドに立つことなどできない。
仲良し野球では誰一人輝かない。

野手にも同じことが言える。
野手の委縮によるエラーを無くすには、池本以上に自信とプライドを持って守るという以外方法はない。
しかし、その辺の指導をした時間が少なかったのは事実であり、私の責任である。
今後プライド対プライドという指導をして行くが、それがかみ合ったときは必ずTK史上に残る結果が出るだろう。

第三試合
京都ルーキーズ戦 ●2-8(敗投手 細川4勝2敗)

2回表、9番田辺のヒットなどで先取点。
3回に勝ち越したが5回5失点したところで、市橋がマウンドへ。
急遽登板した市橋は、落ち着いてよく投げた。
TKドラゴンズに移籍して初登板が敗戦処理では申し訳なかったが、彼には今後先発でマウンドに立ってもらう調整を行う。

4回には9番田辺がこの日3安打目となるスリーベースヒット放つ。

最後はルーキーズの攻撃中にタイムアップとなり敗れた。

TKドラゴンズから選出された優秀選手は以下の通り。

河野温斗(6年)

2試合で5打席5打数2安打2三塁打1打点2得点1四球
アカスポ戦の2本のスリーベースは圧巻。
実力と声でチームをけん引。

田辺琉真(6年)

2試合で5打席4打数3安打1三塁打2打点1得点1四球2盗塁
センターでも好プレー。
バッティングのセンスの良さが出た。

今大会は、京都ルーキーズさん、アカスポさんともにレベルアップが大きく完敗でした。
打倒TKドラゴンズという目標を掲げられ、見事に目標を達成された初優勝された京都ルーキーズさん、うちのエースを打ち崩し勝たれたアカスポさんに敬意を表したいと思います。

夏・冬のきぬかけ杯が参加チームにとって大きな目標となる大会として位置付けていただいていることを心から感謝いたします。
ともに切磋琢磨しきぬかけ杯を戦うことに喜びを感じています。
今後も指導者、選手の目標になる大会であり続けたいと思います。

応援に来ていただいた保護者の皆様、暑い中最後まで応援いただきありがとうございました。

勝負の世界は厳しいもの。人生とよく似ています。
きぬかけ杯の結果で勝ったチームと負けたチームでは明暗がはっきりと分かれます。
だからこそ、勝つ喜びが存在します。
勝つ厳しさと喜び、負ける悔しさ、メンバーに入れない悔しさは子どもたちにとって大きな財産になります。
努力したから良いんではなく、結果を出すことが大切なんだという指導をこれからも続けるつもりです。

今大会は敗れましたが、冬には必ず優勝させたいと思います。
今後も子どもたちを応援していただきますようお願いいたします。

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