叱らないから上達する!ひとり一人が輝く少年野球チーム!

~天一杯二回戦~井上追撃1号弾・樋口同点1号弾、終盤力尽きる

4月7日(土)横大路グランドにおいて、天一杯二回戦が行われました。

昨年Bチームの準優勝チーム登町イーグルスさんとの対戦でした。強豪相手に選手たちは中盤まで競り合い、好勝負を見せてくれたのですが、終盤に引き離され2-7で敗れました。

登町イーグルスさんは評判通り強いチームでしたが、TKドラゴンズの選手達のレベルの高さも垣間見ることができた試合でした。

 

天一杯二回戦

登町イーグルス 1 1 0 0 4 1  7

TKドラゴンズ 0 1 1 0 0 0  2

(負投手 瀬古3勝2敗、 本塁打 井上1号、樋口1号)

 

瀬古は初回4安打を打たれたが、最少失点で切り抜けた。

立ち上がり、まだ球の走らないところを痛打されたのだが、相手クリンナップの手強さは十分感じられた。

2回表、二つのエラーで1失点。

ゴロを処理するのが難しそうなグランドだった。硬い地盤の上に砂の層が表面を覆い、硬いのか柔らかいのかわからない。

一瞬の迷いが、守備の良い井上の体を固くしてしまった。大事に捕球しようとして両手でさばきにいったのだが、腕が自由に動かず体に当てて2エラー。

正面のゴロを両手で捕球しに行くとこういうリスクが伴う。ただ、チャージしてのエラーなので気にはならない。

 

2回裏、1アウトランナー無しで7番井上。

自分のミスを取り返そうという気迫が、打席に立つ姿からにじみ出ていた。

1ボールからの2球目、アウトコースやや内寄りの球をフルスイング!

打球はライナーでショートの頭上をかすめる。そのまま一気に左中間を切り裂き、追撃の本塁打となった。

アウトコース中心の配球に対応するために、「ホームベース寄りにスタンスを取りアウトコースの球をセンター中心に叩け」というベンチの指示通りのバッティング。

最近自前の軽いバットから、チームの少し重めの木製バットに持ち替えて打球に力が出てきていた。良い当たりのホームランだった。

 

3回裏、先頭打者は1番樋口。

初球、チェンジアップをファウル。

相手バッテリーも2巡目に入り配球を少し変えてきた。

2球目、再びインコースにチェンジアップ。

右足に体重を残し上半身の突っ込みをこらえた樋口は、インコース低めに落ちてくるところをフルスイング!

綺麗にすくい上げた打球はレフトライン際をぶち抜く!同点ホームランだ!

難しい球をよくとらえきった。

強敵相手に中盤で追いつく最高のホームランだ。

4回を終わって2-2。

終盤、どちらが先に得点できるかで勝負が決まりそうな試合展開になった。

 

相手投手は中盤追いつかれながらも、終盤にギアを上げられる良い投手だった。

4回裏、1アウトから6番大島がショート内野安打で出塁したが、後続が打ち取られ無得点。

薄いチャンスだった。しかし、ここに四球やエラーが絡まると流れが決まるのだが、登町さんは強かった。大事なところでミスが出ないし、逃げない。

 

5回表、2アウト2塁のピンチ。0で切り抜けたい。

怖い4番だったが、もちろん勝負。

4番の打球は痛烈なレフト前ヒット。

勝負してのヒットは仕方ないし嫌な流れにはならない。しかし、ここでバックホームでアウトにするチャージが出なかったのがこの試合を決めてしまった。

外野手だけではない。内野からの指示やジェスチャーでもそのチャージをサポートすることはできるはずなんだ。

外野手が後ろにそらしてホームランにしてしまうリスクを背負っても、アウトを取りに行く場面だった。

これを小学生に伝えるのは難しい。しかし、失敗を回避する無難なプレーというのは選手から見て無難なプレーなのであって、試合展開から見ると致命的なプレーとなる。特に格上相手の試合に受けて立つ戦術はないんだよ。

野球の怖さを知ってから、なお失敗を恐れずチャージできた選手は必ず成長する。

私は、チャージしての失敗は絶対に叱らない。野球は失敗から多くの事を吸収できる。

チャージしない選手に対しては叱るというより、、、悲しくなるのかなぁ。

私の指導方法にも何か足らないところがあるんだろうと感じさせられもする。

思うことは一つ。自分自身のために自分で自分を変える強いエネルギーを持ってほしい。

そのための指導を選手達に幅広く指導することが大切だと感じた。

中盤までどちらに転ぶか誰にもわからない試合だった。

終盤、力尽きた。4点はキツイというのがベンチも選手も本音だったろう。

ただ強豪相手によく戦ってくれた。

少ない練習時間でここまで戦えたことは自信にもなるし、選手たちの努力もよく見えた。

 

しかし、勝つチームは良い試合をして負けるチームの何倍も苦しいんだよ。

その苦しさを体験させてあげたい。その苦しさを乗り越えてほしいし、負ける悔しさより勝つ苦しさの方がしんどいことを知ってほしい。

そのレベルの野球ができるような指導をしてあげたい。

私がそうであったように、こういう試合で勝って初めて、勝つことの苦しさ、勝つことに必要な努力や勇気、負けることの気楽さ、勝つことや負けることの意味を知る。

そして苦しみぬいて勝った時、その喜びはあまりにも一瞬に通り過ぎ、その後にはまた遥か遠くまで続く道が見えてくることを知る。

そこに野球や勝負の本質があるような気がする。

 

試合後のミーティングで「よく戦った」と私が言っても、戦い抜いた満足感を滲ませている顔はひとつもなかった。

悔しい表情、何とも言えない表情をしている選手が何人もいた。

選手達のそういう顔を見ると、その野球の本質をこの子たちにもっと教えてあげたいと思うのだ。