叱らないから上達する!ひとり一人が輝く少年野球チーム!

チームの方向を見せる練習

  1. す1月26日(土)。御所。練習。

夜からの雨が早朝から雪になり、8過ぎには晴れ。

グラウンドコンディションは良いわけがなく、さすがにこの日は練習を中止にしようか迷ったんですが、強行しました。

過去には中止の連絡をした途端に晴れるというパターンが多いんです。何故なんでしょうねぇ。

 

グラウンドは野球ができる状態ではありませんでしたが、やりたい練習はできました。

先週の試合でご覧になられた通り盗塁のスタートがひどかったんで、前半はひたすら盗塁のスタートの練習についやしました。

盗塁のスタートは簡単なようで難しく、難しいようで簡単です。

盗塁は、その字の通り塁を盗むわけですから「今から走りますよ~」という正直なランナーはアウトになり、「走る気なんかないですよ~」というそぶりからいきなり走るランナーはセーフになります。「正々堂々と戦うことを誓います!」とか言いながら、だましあいのスポーツが野球なのです。

 

この日の練習で重きを置いたのが、静から動への切り替え。止まっている体をほんの数歩でトップスピードに持って行くための初めの一歩。これをひたすら練習しました。

ピッチャーのモーションを盗むのはバッテリーやランナーのレベルが互いにもっと上がってからの話。それよりも本気で一歩目を出している選手が少ないのが現状なので、そこを改善したいということなのです。

私、現役の時、盗塁は得意でした。今より体重も十数キロ軽かったんで・・・(笑)

私の場合、リードはそんなに大きく取っていませんでした。けん制された時、1塁へ足から帰塁したかったんです。というか、ヘッドスライディングが苦手だったんです。

あまり詳しく言うとあれなんで、端折りますが、一歩目をどちらの足で地面を蹴るかということを意識していました。

いろいろ細かく指導して練習をすれば、選手たちはすぐにある程度は身に付けてくれます。バッティングに比べれば簡単なもんです。

ほんの1間ぐらいで随分タイムも上がりました。塁間の半分にあたる距離の11.5mでタイムを計っていたんですが、ほとんどの選手で0.2秒~0.5秒の伸びが見られました。塁間の距離で換算すると1.3m~3.3mぐらい早くなったことになります。この差は間一髪アウトになる走塁が余裕でセーフになる距離です。

野球の動きは、静から動への動きが大切です。ランナーにしても野手にしても一歩目にどれだけの力が出せるか、静から動へ一瞬で切り替えられるかというのが、守備走塁面では良いプレーヤーとそうでないプレーヤーの境界線となります。

 

後半は、ひたすらロングティー。

強くて飛距離の出る打球を目指してもらいます。飛ばない選手は自分でも面白くないはずです。バッティングの魅力は遠くまで飛ばすことです。

強くて飛距離の出る打球を打てる打者は、ヒットゾーンが広がります。外野の頭も超えますし、野手は警戒して深く守りますので、外野の前に落ちるヒットや内野安打も出やすくなります。飛ぶ選手が圧倒的に有利なのです。

飛距離を出すには、ある程度の技術は必要ですが、基本的にはスイングスピードと圧力です。

体重を増やして全力で素振りをし続ければ、飛距離は伸びます。ロングティーもその一環です。

一昔前はすくい上げて打球を飛ばすことはタブーとされていました。その根底には日本人の体は小さいので、分相応のバッティングをしなさいという考えがあったんだと思います。ホームランを狙わず、野手の間を抜くヒットを狙えということですね。つまんないこと言いますよねぇ。

今、メジャーのバッティングの主流は、ボールの下を思いッくそたたいて高く遠く飛ばすことです。メジャーは日本以上に超データ野球です。得点力、打率、出塁率、勝率、全てのデータが今の主流を導き出しているのです。フェンスを越えればどんな打球でもホームランです。いずれ日本のプロ野球でもその打球が主流になる日が来ます。

ボールの芯をとらえてライナーとなる打球は、打ち損じてたまたまライナーのヒットになった・・・ぐらいの感覚です。

 

私はバッティングを指導する際に、「利き腕で打て」とよく言います。力のある方の腕で打つ方が力強い打球が打てますし、飛距離も出ます。経験上ヒットになる確率が上がるのです。少々ボールの芯を外しても、力強い打球は野手からすると捕りにくいものです。

 

この日は守備練習は一切しませんでしたが、選手たちには、このチームが目指している野球、私が目指している野球を感じてもらえたと思います。