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「会長のひとり言5」~子どもたちの吸収力のすごさ~

子どもの吸収力には驚かされる。
昨日もAチームはフィールディング練習に取り組んでいた。
基礎を覚えてもらうために3回連続で行っている練習である。
ただ、昨日は前回2回の考え方を修正している。
いろいろな野球関係者の意見を幅広く聞いた結果、私の指導に一か所間違いがあることに気が付いた。
見た目は同じでも考え方が根本的に違うのだ。

少しだけ説明すると、ゴロを捕球してからスローイングまでのスムーズな動きを行うための考え方なのだが・・・
言葉にすると非常に分かりづらいが以下の通りである。

前回までの考え方・・・
スローイングの準備に入りながら捕球し、捕球したグラブを体の右側に引き込んで流れのままにスローイングせよ。
要するに腕と足を素早く動かす・・・というものである。

修正した考え方・・・
打球に対してやや右から膨らんで捕球の体勢に入り、右足を軸に片手で捕球。
左足を地面に着いたときにグラブは自然と体の真ん中に位置し、グラブは動かさず右足を送り出せばグラブは自然に体の右側にずれる。そのままの流れでスローイングせよ。
要するにグラブは動かさず足を素早く動かす・・・というもの。

実は見た目にはほとんど違いは分からない。
しかし、体の動かし方はまるで違うのである。

今までの考え方を変えなければいけないので、子どもたちには申し訳なかったが「修正させてくれ」とお願いした。

ゴロ捕球の理論は、ほんの10年前までの考え方と大きく変わってきている。
私も自宅でこの守備理論に基づき体を動かしてみたが、とてつもなく難しいのだ。
現在どのチームの指導者も足と腕を動かすゴロのさばき方が身に沁み込んでいる。
そう教えられてきたからこれを変えるのは非常に難しい・・・沁み込んでいる分、体が動かないのだ。

それに比べて子どもたちの対応力は素晴らしい!
今まで数年間教えられてきた動きとは違う動きを素早く行わなければならないのだが、何回か繰り返すだけで体と頭が対応し始めるのだ。
数回で自分のものにしてしまっている子どももいる。他の子も目に見えて動きが変わる。

これには正直驚いた。
もっと時間がかかると思っていたのだ。
なんと柔軟な対応力だろう。
おっさんでは絶対できない。

おっさんは体もそうだが頭も固い。仕事でも今までのスタイルを変えられずあきらめてしまう大人を何人も見てきた。

しかし、子どもたちは違う。

初めはできなくても素直に体を動かそうとしてくれる。
できている子に「どうしたらできるん?」と真剣に聞いてくれている。
少しでもその動きに近づこうと必死にチャレンジしてくれる・・・

指導していて感動を覚えた。
同時に指導者の責任を痛感した。

今までも私の指導方針はそうだったが、子どもたちには「少年野球で勝つための野球」でもなく「軟式野球で勝つための野球」でもなく、「野球の本質」をできるだけ指導してきたつもりである。
が、どこかに慢心はなかったか?
これが野球の全てだと高をくくっていなかったか?

私にとっても自らを戒める良い機会に恵まれたと思う。

時として、勝つテクニックを使いチームの指揮を高めることはある。
しかし、やはり指導の本質は野球を教えてあげることである。

昨日の子どもたちの対応力を目の当たりにして改めて感じたことがある。

子どものころから本質を教えることに間違いはない。
しかし、指導者はそれを実行できるだけの知識や情報を常に更新し続けなくてはならない。

今後の子どもたちの活躍に期待していただきたい。
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