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「会長のひとり言1」 〜結果を出すことの意味〜

しかし、野球というのはいろんな意味で面白い。
私は野球以外の団体競技にはあまり詳しくないが、野球ほど試合に出ている選手がしっかりとスポットライトを浴びる機会を与えられているスポーツは無いのではないかと思う。
もちろんエースやクリンナップが活躍する可能性は高いが、試合に出ていれば必ず打順が回ってくる。打順が回ってくればバッターボックスに立てるのである。その瞬間は一人しかバッターボックスに入っていないのだから、選手や応援団のほとんどがその打者に注目する。

先日、TKドラゴンズの7番バッターがホームランを打った。
もちろん本人の努力の賜物なのだが、7番というといわゆる下位打線である。決してがっちりした体形をしているわけでもなく、当たれば飛ぶぞとは思わせないタイプなのだ。練習では、タイミングが合えば意外と打球は飛ぶ。しかしそれを踏まえても7番なのだ。
ところが、見事にタイミングも合い体重も乗った打球はライト線を綺麗に破りランニングホームランとなったのだ。みんな注目して見ている訳だからベンチも応援団も大騒ぎになる。
一番興奮したのは本人だったろう。スイングと同時に勢いよく飛んでいく打球、外野を抜ける瞬間を自分の目で見て「よっしゃ!」という心の声と共にファーストベースを蹴る、セカンドベースを蹴るとランナーコーチがぐるぐると腕を回している姿が見え「ほんまか!」と思いつつもひたすら走る、サードベースを回るとベンチや応援団が総立ちになっての声援が目や耳に飛び込んできてがむしゃらに走る、訳が分からないままホームを踏みベンチに戻ると「ナイスバッティング」という賛辞とハイタッチの嵐。彼は人生でこれほど鳥肌の立つ興奮を覚えたことがあっただろうか。

ほぼ全員が注目している中で、彼はツーランホームランという結果を出した。
私は、いつもみんなに言っているのだが、努力を評価することはしない。結果を実力ととらえて評価する。
結果を出すということは容易なことではない。しかし、結果を出したものだけが知り得ることがある。それは快感という成功体験なのだ。

野球では、この快感を知っている者は日々の努力を惜しまない。なぜなら、また快感を味わいたいからなのだ。
野手でもファインプレーをした者は快感を覚える。投手も奪三振や完封や頭を使った投球で快感を覚える。
成功体験を知っている選手は、努力を認めてもらおうとはしない。なぜなら努力をしなければ結果など出ないし、努力は継続しなければ意味がないことを知っているし、何よりも快感を得ることが目的なのだから努力を認めてもらう必要などないのである。
努力とは、見せるものでも知ってもらうものでも認めてもらうものでもなく、結果を出すための必要不可欠なものなのである。


だから、誰もがスポットライトを浴びる機会があり、快感を味わえるチャンスを与えられている野球というスポーツはそういう意味でも面白いのだ。

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