8月5日太陽が丘にて天一杯の開会式と1回戦が行われた。

開会式直後の2試合目。
錦林さんとは数年前に一度練習試合をしており、錦林の監督とは久しぶりにお会いさせていただいた。
よく鍛えられた良いチームである。

1回戦 VS錦林ジュニア ●5-6(敗投手 池本4勝5敗1S)

1回表、2番池本の内野安打などで1点先取。
この試合は打順を大きく変えた。
1番栄木、2番池本、3番河野、4番金城。
安定して結果を残している栄木を1番に置き、本来の3番4番を2番3番に前倒しして初回から河野まで回し1点で良いから先制する。
4番には長打の期待できる金城を置きチャンスがあれば加点するという考え方の打線にした。
初回の攻撃は予定通りの目が出た。

1回裏、池本の球は走っていた。
しかし、悪い流れはまだ変わっておらず、いきなり連続エラーで2失点。逆転を許した。
ベンチとしては内野手に自力で立ち直れ!と祈るしかない。
技術的にはそんなに不安はないのだがそれぞれの気持ちが体を固くする。
最後は自分が乗り切るしかないのだ。

2回表には6番田辺の内野安打、3回表には2番池本、3番河野の連打が出たが、得点には結びつかない。

2回以降も池本の完璧なピッチングは続く。
この日は試合前に池本・栄木の5年生バッテリーを呼び、二人に配球・けん制を任せることを伝えていた。
両サイド、高低、速球・チェンジアップ、けん制のサインは全て栄木が出している。
栄木に試合を作らせることにした。
昨年の6年生バッテリーにも夏辺りから配球を任せていたが、5年生バッテリーにしてみたらそれよりも1年早く試合を作れるレベルに到達していることになる。

1回裏のスリーアウトを取った金城のさばいたショートゴロから内野の動きが良くなってきた。
2回裏には細川がセカンドゴロ2本をさばいてくれた。
ようやく何かが変わり出した。
4回にはサードゴロ2本を瀬古がさばく。
バウンドの合いにくい微妙な打球だったが迷わず前に出た瀬古のグラブに打球がショートバウンドで収まる。
良い動きである。
瀬古は4年生だが、普通に6年生のフィールドで動き回りファーストにノーバウンドスローで刺す能力は正直凄いと思う。

4回ツーアウトからの打球は三遊間に飛んだ。
瀬古がカットしに行くが届かない。しかし回り込んでいたショート金城が三遊間の深い位置でさばきファーストで刺した。
金城の肩の強さと思いっきりの良さが光った。
並みのショートではあの位置からファーストで刺せる体のバネはない。

こんな素晴らしいプレーができるのだ。
このプレーが出れば彼ら6年生は変わるはずだ。
声も出る。
これが野球の声なのだ。
内野が声を掛け合っている。
これがチームの声なのだ。

5回表1-2。残り時間20分。
円陣を組み「この回がラストチャンス、この回に逆転する」と伝えた。

先頭打者は小林に代えて代打に送った佐藤は三振に倒れワンアウト。
ここからが凄かった。
1番栄木が粘り抜いて四球をもらう。
相手バッテリーから盗塁はできない。
打たせるのみ。
2番池本も粘りフルカウント。
フルカウントになったことで盗塁のサインを出すことができた。
栄木がスタートを切り池本が強打!
レフトオーバーツーベース!
栄木はそのままホームイン!同点だ!
3番河野は右中間を深々と破った!スリーベース!
逆転!
4番金城がファウル4本のあと放った打球はレフト線上!石灰が飛び散る。スリーベース!
4-2。
5番細川にはTKスペシャルのサインを出した。
しかし、金城がけん制で飛び出し挟まれる。
なんとか相手のミスでホームイン。
3点を勝ち越した。
欲を言えばTKスペシャルで加点したかった。
相手に与えるダメージが違う。

5回裏ワンアウトランナー無し。
池本が8番打者にこの試合初めてを四球を与えた。
ここでタイムを掛けマウンドに行く。
残り時間は3分。この回で逃げ切りたい。
池本はややばてていたが、問題ない。
ゆっくり時間を使って投げるよう指示を出した。

9番打者にレフト前ヒット。
1番打者に四球を与えたところで再びマウンドへ行く。

「3点差、1塁ランナーを返さなければ大丈夫。ガンバレ」
みんなに伝える。
池本はかなりばてていた。
ガソリン切れ・・・
後は気迫と気迫の勝負になる。
ここからが根性野球に突入する。

私の嫌いな根性野球だが、レベルの高い戦いでは根性野球は必要になる。
どちらへ転ぶか分からない場面では根性が上回った方が勝つ。
少年野球でその場面が来るとは・・・

2番打者の打球はライトへ痛烈なライナー。
野見山が捕球。
良く捕った!
ツーアウト満塁。3点差。
3番に押し出し四球。2点差。
4番。ツーストライクから3球ファウル。
6球目をライト線へはじき返された。
走者一掃。
逆転サヨナラ負け。

池本は敢闘賞を受賞したが、それよりも大きなものを手に入れた。
悔しさ。野球。
重圧を感じての最終回の投球に野球の全てが詰まっている。
勝つことへの執念、勝つための知恵、勝つためのエネルギー、その全てが足りていないと感じたはずだ。
試合終了後、帰るまで流し続けた涙は彼の投手人生にとって重要な一歩になるだろう。

栄木も大きなものを手に入れた。
試合を作る快感。
配球の面白さ、怖さ。
最後に1球見せ球を投げさせる知恵と勇気。
ツーナッシングからの考え方。野球の深さ。

金城と細川の二遊間は、助けてくれる人は誰もいないということ、自分が切り開けば道が見えてくるという感覚を感じたはずだ。
瀬古は自分の野球の正しさを感じ、もっと打ちたいと思っただろう。
野見山もしびれる場面で捕球できている。
レフト佐藤は今までなら後ろへそらしていた打球をしっかり捕りに行っていた。
佐藤に交代するまでレフト守っていた小林は、試合開始寸前まで熱中症気味で倒れていたが試合前にむくっと起き上がり試合に出た。
センターに打球は飛んでこなかったが田辺の声はベンチまで届いていた。
ポイントゲッターの役割を果たしてなお勝てなかった河野は野球の難しさを感じ、より一層のけん引役としての努力の必要を感じただろう。

そして、私自身が指導者としての経験を積ませていただいた。

今まで「負けたが良い試合」という概念は私にはなかった。
「負けは負け、勝たないと良い試合とは言えない」と思っていた。
私の野球概念を覆してくれた試合だった。

負けたがTKドラゴンズの選手にとって大きな財産となるであろう試合だった。
一人一人が輝いて見えた。

こういう試合を勝ちきることが、これからTKドラゴンズの目指す野球となる。

最後に・・・
錦林ジュニアさんの野球のスタイルはTKドラゴンズに似ていた。
選手を信じ受けて立つスタイル。
自信が無ければこのスタイルは選択しない。

どちらのベンチもプレー中に一切指示は出さない。
エラーを責めない。
選手を信じ選手の判断力を尊重している。
周りのスタッフや保護者も同じ。

少年野球の試合で両チームのベンチが選手を信用してプレー中・直前に何も言わないという光景は非常に珍しい。

錦林ジュニアさんはレベルの高い野球だった。
錦林ジュニアの監督に敬意を表したい。
素晴らしい指導者だと思う。
私の1年後輩にあたる野球人だが、指導者として私にはできていない見習うべきことを気付かせていただきました。
野球は面白い。

TKドラゴンズ、
お盆は休みです。

みんな、お盆の行事や遊びで忙しいんで。

では、19日に元気な顔を見せてくださいね。